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№549 もう軍備はいらない

2023/02/08 新基地建設強行の現場から   東京の山さん 寄稿

 こんな戦争をさせるヤツは何ヤツなのだろう? 勝たずば生きて帰らじと……というような歌を戦争の時もオリンピックの時もとかく歌いたがる日本人だが、戦争が好きだという日本人が決してタクサンいるわけではなかろう。けれども権力に無抵抗主義の日本人は近づく戦争にも無抵抗で、戦争も一ツの天災だというようにバクゼンと諦めきっているのかも知れない。そして、天災に襲われ叩きのめされてもたじろがず、ツルハシやクワを握って立ち上り立ち向う根気をこの上もない美徳と考えているのかも知れないな。また、天災にそなえて非常米を備蓄するのと同じように軍備というものを考えているのかも知れない。しかし戦争は天災ではないのだから、努力や工夫や良識によってそれを避けることもできるし、非常米のように軍隊をたくわえておく必要が不可欠のものでは決してない。 自分が国防のない国へ攻めこんだあげくに負けて無腰にされながら、今や国防と軍隊の必要を説き、どこかに攻めこんでくる兇悪犯人が居るような云い方はヨタモンのチンピラどもの言いぐさに似てるな。ブタ箱から出てきた足でさッそくドスをのむ奴の云いぐさだ。 坂口安吾 昭和27年10月 仕事で新潟に出かけた  山さんより寄稿  坂口安吾のエッセイが現在の日本の情勢とよく似ていると驚愕。

安和の海上保安庁巡視船。
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