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裁判所は正しい判断を!

 6月6日(金)、代執行の取り消しを求める住民の訴訟(対国)の第5回口頭弁論が那覇地裁で行われました。当日、意見陳述した原告の1人=辺野古住民の金城武政さんの陳述内容が素晴らしかったのでご紹介します。訴訟の詳細については「住民の訴訟」の頁をご覧ください。

意見陳述書

         2025年6月6日 金城 武政

 <一部略>

 今から51年前のことになりますが、私が高校3年の時に私の母が海兵隊にブロックで頭を割られ殺されてしまいました。犯人は強盗に入り10ドルを盗んで逃げて行き、その日のうちに逮捕されました。刑務所に入った事は知っていましたが、その後出所した後のことは何も知りません。現在も海兵隊による事件・事故は後をたちません。米軍基地が無ければこのような事件・事故は起こりません。

 私は、昨年5月28日にも、設計変更申請の不承認に関する訴訟で意見陳述を行いました。あれから1年経ちましたが、振り返ってみますと1年ですっかり集落の景観が変わってしまいました。新基地建設工事で海・山・川の環境破壊が進み、海洋汚染の濁りも基準値を超えるひどい状況になっています。大浦湾の海はホープ・スポットであり沖縄の宝でもあります。希望の海を埋め立てで潰す国は世界で日本だけでしょう。

 最近では辺野古ダムが6月から利用できなくなりました。これは新基地建設優先の工事がもたらした弊害です。辺野古区民が受ける損失は大きいものになります。20トンダンプは生活道路を走っては行けないことになっているはずですが、国道329号線の道路は20トンダンプの往来で傷み、陥没しています。このような状態ではいつ事故が起きてもおかしくありません。

 沖縄防衛局の行動には、環境に対する配慮が全くないと言わざるをえません。

まだまだ意見したいことは山ほどあります。本裁判は原告適格論・入り口論で迷走しています。被告の代理人らは、国からの支持なのか、私達原告団の主張を、入り口論で終わらせようとしているように感じられます。核心部分の中身の審議に入ろうとしません。昨年の5月15日、福岡高裁那覇支部において、住民らの原告適格を認めず却下した那覇地裁の一審判決を破棄し、差し戻す判決がありました。それなのに私達の事案で原告適格が認められないとなると、司法のねじれが生じます。そのようなねじれが生じた場合、司法に対する信頼は崩壊すると私は指摘したいです。私達原告団は、裁判所が人権救済の最後の砦であると信じて、日々の平和な暮らしを守るため本裁判を提訴したのです。

 裁判所におかれては、どうか私達の思いを汲み取って頂き、入り口論に時間を費やすのではなく、中身の議論に踏み込んで下さい。

 被告代理人らも、国の主張が正しいと考えるのであれば、いつまでも入り口論にこだわるのではなく、中身の議論で主張を尽くしてください。

 最後に裁判官へ、お願いしたい事があります。ぜひ一度、大浦湾へ足を運び、現場の視察をして欲しいと思います。この裁判は一住民の小さな裁判ではありません。沖縄県の未来を左右する大事な裁判です。

 憲法76条には、裁判官は、その良心に従い独立して職権を行うとあります。裁判官におかれては、辺野古新基地建設を進めたい国の政治的意図に左右されることなく、自らの良心にのみ従い、判断をして頂きたいです。

 新基地予定地の周辺には、私達原告を含め、住民が暮らしています。裁判官のみなさんと同じく、日々働き、家族と団らんし、毎日の生活に笑ったり泣いたりする人間が暮らしているのです。どうかそのことから目を背けず、正しい判断をお願いいたします。

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