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2022年6月21日

沖縄防衛局長・小野功雄 殿

ヘリ基地反対協議会

(共同代表・豊島晃司/仲村善幸/東恩納琢磨)

赤土流出を伴う工事の中止を求める要請

 

今年の沖縄の梅雨は尋常でなく、連日のように大雨・洪水・雷警報や土砂災害警戒警報等が発出されています。報道によると、5月の雨量は例年の3倍にも及んだとのことです。

そのような中で貴局は、休むことなく辺野古新基地建設工事を強行し、大切に保全すべきやんばるの自然にダメージを与え、また、作業員や作業車両の運転手等を危険にさらしています。私たちは連日、大浦湾が「血の涙」を流したように真っ赤に染まっている光景を目の当たりにし、胸を痛めています。赤土流出は、辺野古・大浦湾の貴重なサンゴ群落に致命的なダメージを与え、世界有数の大浦湾の生物多様性を大きく損なうものです。沖縄には、「山ぬはぎーねー、海んはぎーん(山が壊れると海も壊れる)」という昔からの格言があります。

昨今の大浦湾の赤土汚染の最大の原因は、「商用車ゲート」を造るためと称して行われている第4ゲート周辺の広大な森林伐採・整地作業であることは明らかです。これを重く見た沖縄県は、赤土防止条例に基づく立ち入り調査を貴局に要請しましたが、貴局は「米軍の許可が出ない」との理由で未だ棚上げにしています。しかし、当該地域は昨年6月の日米合同委員会で、地位協定2条4項(a)に基づき米軍専用区域ではなく日米共同使用区域となっています。「米軍の許可」には理由がなく、直ちに県の立ち入りを認めるべきです。

赤土流出の原因は他にも、大浦湾海上の台船に山積みされた土砂、大雨の中でも運搬・投入される土砂や石材(ダンプ・トラックは荷台から赤水を垂れ流しながら走っています)、辺野古弾薬庫の改修工事などがあります。また、安和・塩川からの埋立土砂搬出に伴う赤土流出も深刻です。大雨・洪水警報が発出される中で強行される工事は異様としか言いようがありません。

去る4月、私たちは自然破壊を伴う新基地建設工事、第4ゲート周辺の工事、安和・塩川の作業中止を求めましたが、貴局が真摯に受け止めたとは思えません。世界自然遺産登録地域に続くヤンバルの海・山の自然を守ることは日本政府の責務であり、貴局の行為・姿勢はそれに逆行するものです。

 以上に鑑み、私たちは次のことを強く要請します。

  • 大浦湾の赤土汚染の実態と原因を調査、公表するとともに防止対策を示すこと
  • 自然を破壊し、生態系にダメージを与える新基地建設及び基地関連工事を中止すること
  • 降雨によって表土が流出しやすいヤンバルの自然の特性に鑑み、雨天の工事は行わないこと
  • 最低でも、「大雨警報」「洪水警報」が発出された場合は直ちに工事を中止すること
  • 第4ゲート周辺を含め自然林をこれ以上破壊しないこと
  • サンゴを死滅させる移植をやめること
  • 安和・塩川の異常な工事をやめること (<注>塩川では、業者と北部土木事務所との間で、「5mm/時間の気象予測が出た場合は土砂搬送を中止する」という確認があるので、最低限それを遵守すること)

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