2024/04/16 新基地建設強行の現場から
2024年4月14日(日) 瀬嵩の浜 県民集会で訴えた松川 博之さんのお話しを紹介します。
はいさい、ぐすーよー、こんにちは。
今日は玉城デニー知事も参加してくれて、先ほどは素晴らしい挨拶もしてくれました。この舞台の上には、デニーさんを筆頭に、偉い人たちがずらっと並んでいて、それに対して、今マイクの前に立っている僕を見たら、みなさん「うれ、たーやが?(この人だれ?)」って思っているんじゃないでしょうか▼僕は、政治家でもないし、法律家でもない。普通の一般市民です。でもおそらく会場にいる皆さんも、同じ市民の方がほとんどだと思うので、皆さんと同じ立場、同じ目線だから言えることもあるんじゃないかと思って、マイクの前に立たせてもらうことにしました。しばらく話を聞いて下さい▼今日は、僕は海上行動のメンバーの一人として、カヌーに乗って登場させてもらいました。舞台の目の前に、そして海に、一緒に活動している仲間がいます。今日は、ウチの次男も一緒に参加してくれたので、次男も「平和丸」という船に乗って、海の上から僕を応援してくれています▼「百聞は一見にしかず」で、この砂浜からも、海が見えますよね。広大な海と、そこに臨時制限区域のフロートで囲った場所と、土砂を運ぶ台船が見えていると思います。海に出れば、それをもっと間近に、リアルに見ることが出来ます。ホープスポットと呼ばれる豊かな海の素晴らしさと、そこに土砂を投入し、生き埋めにしていく人間の醜さ、愚かさがよく分かります▼我々海上行動チームは、海の上で活動する仲間を求めています。カヌーに乗りたければ、カヌー教室もあるし、船に乗って抗議をしたり、そうでなくても、船に乗って海の上から工事の状況を見ながら説明を受けたり、シュノーケリングやダイビングで海の様子を観察し、報告したりしている仲間もいます。関心のある人は、ぜひメンバーに声をかけて下さい
ここから、少し僕の話をさせて下さい。僕は普段、毎日海上行動に参加しているわけではありません。実は普段は、小学校の教師をしています。今は音楽専科と英語専科をしているので、平日は毎日100名あまり、みんなで300名以上の子どもたちに向き合っています▼授業の時には、始めに「今日新聞見た?」から話を始めることもちょくちょくあります。職員室では「昨日はカヌーに乗ったから、日焼けして痛いんだよね」なんていいながら、辺野古での活動の話題を出すようにしています▼お家に帰ると、妻と二人の息子がいるので、ご飯を食べるときや、車で移動するときに「今日も辺野古では・・・」とか「次の選挙では・・・」などと、世の中の動きに話題を持って行くように意識をしています▼旅行や遊びに行くときは、「不屈」「海を守ることは、命を守ること」とか、ジュゴンの描かれたTシャツを着て、少しでも関心を持ってもらえるようにしています。
何が言いたいかと言うと「平和運動は、いろんな場所で、いろんな形で出来る」ということです。
私たちの仲間には、ゲート前で座り込みをしている人がいます。安和や塩川で、ゆっくり歩きながら抗議をしている人もいます。交差点に立って、意思表示をしている人もいます。オスプレイの訓練再開に反対する人も、PFOSや遺骨混じりの土に抗議する人も、自衛隊基地への運動も、みんな同じ志の仲間なんです。いろんな人が、いろんな場所で、いろんな形でできる平和への取り組みがあります。今、それが大切だと思うんです▼今日はデニー知事が心強いあいさつをしてくれましたが、デニー知事が頑張るんじゃないですよ。私たちが頑張らせるんですよ。誰かが、どこかで、どうにかしてくれるのを願うのではなく、一人ひとりが出来るときに、出来ることをやる、ということが大切なんです。それがあるから知事が頑張れるんです▼権力者が恐れているのは、一人のヒーローの出現ではなく、小さな力がいろんな所から集まって、うねりとなって立ち上がる力なんです▼知事も触れましたが、今日はシーミー(清明節)で、この会場に来られなかった人も多いと思います。それでもいいと思います。家族と仏壇の前で、ムンチュー(門中、親戚一同)でハカンナー(墓庭)で、人と人との繋がりや、自然の風や、平和の大切さを感じる。それが沖縄の心で、平和運動の原動力だと思います▼グヮンスー(祖先)やウヤファーフジ(先祖)を思う心は、子や孫を思う心にも繋がります。私たちが受け継いできた沖縄の独自の文化と豊かな自然を、次の世代にも受け継ぎましょう。そのためには、時にはイヤなものはイヤ、違うものには違う、「ナランドー」「アランドー」と声を上げることも必要で、今がその時ではないでしょうか。
そんな話をすると「どうせ無理」「国が決めたことだから」と言う人がいます。確かに、私たちは何十年も苦しい思いをし、我慢を強いられてきました。でも今、それを強行している人たちを支えているのは、諦めている人たち、無関心な人たちだと言うことに気付かなければなりません。そんな人たちに気付いてもらうために、私たち一人ひとりの足元からの行動が必要なんです。みんなの力で、愚かな新基地建設を止めましょう。
最後に、独自の文化と、豊かな自然と、戦争の悲惨さを体験した歴史を持つ、この沖縄だからこそ、戦争の拠点ではなく、平和の発信地になることがふさわしい場所なんだと述べて、僕の話を締めくくらせてもらいます。
ニフェーデービタン(ありがとうございました)。