2023/10/3 新基地建設強行の現場から
～繋がる大きな輪～
カヌーチーム「辺野古ぶる～」へ弁当差入れを始めて今年8月で満9年になる。一人の女性の声かけから始まったこの取り組みは、仲間が仲間を呼び、大きな輪（和）の広がりをみせている。▼弁当作りが始まった当初は、海のテント前やゲート前の座り込み現場等で紹介されたり、何度か話もさせていただいた。しかし9年も経つと記憶は薄れるもので、時たま話題になると「えーそうだったの?」「まだ続いているの?」と言われる。現況を話すと、改めて感動の声を聞くようになり、辺野古の運動を少しでも拡げるには、その様子をお知らせすることが良いのではということで、改めて紹介することにした。▼グループの名はぶぶぶ倶楽部。名前の由来は弁当作りが始まる3年前に遡る。組合活動に従事していた頃、楽しく遊び、喜び、学びあえる人々の集える場所づくりができないかと常々考えていた。退職して10年目、通い慣れた高教組会館の一角に空き店舗があり、ワンコインでランチ、100円のコーヒーでゆっくりおしゃべりができる喫茶店のオープンという夢の実現に踏み込んでみることにした。▼その喫茶店の名前は、遊ぶ、喜ぶ、学ぶの『ぶ』を並べて〝ぶぶぶ倶楽部〟とした。友人、知人多くの方々の支えがあって、写真展、絵画展、手工芸品展、やんばる展、キューバ展等の開催や会議室に、学習室に、工作室にと利用していただいたり、国政選挙や知事選挙等では辺野古新基地反対の候補者のビラ折りやハガキ書の作業所として同志が楽しく手伝う場所の提供等々で初期の目的は軌道に乗っていた。私の最終目的は辺野古の運動に参加すること。そのための仲間づくりを微力ながらできないかということなので、弁当差入れの話は渡りに舟、二つ返事でOK、感謝の気持ちでいっぱいだった。▼当初の2、3名で始めた弁当作りは、卓球仲間やコーラス仲間が一つになり、各々得意な惣菜を持ち寄り、彩のいい、栄養バランスのとれた弁当を届けられるようになったと自負している。▼この取り組みの素晴らしいところは、メンバーの友人たちが協力の輪を更に拡げていることだ。友が友を呼び本土在住の友人まで協力いただいている。▼喫茶店で作っていた頃は会館の仲間からのカンパや糸満、豊見城、与那原、西原、安部の方の農作物の差入れ等の協力があった。会館建て替えで転々とした中で、高教組資料センターには弁当を詰める場所を提供していただきとても助かった。▼資料センターが使えなくなって、場所が那覇から金武町に移ったので、金武まで来れなくなった皆さんは徴収係や口座振込係等を決めて、毎月カンパを届けて下さる。▼メンバーの山歩き仲間の一人は那覇高同期の友人グループのカンパを届けて下さる。その中には東京在住の方もいる。卓球仲間の一人は、職場の元同僚や義姉（兄嫁）さんからの「志」を届けて下さったり、那覇や近隣で行われる集会や大会へ誘い合って参加している。また、高江のオスプレイパッド建設に反対する活動で不当逮捕された山城博治さんたちの釈放を訴え、裁判所前で行動を共にした長野の方や辺野古ゲート前の座り込みに参加された本土の方からのカンパもいただいた▼。おにぎり用の油みそは百歳の方からの差入れだったが、今は山歩きの仲間の方に引き継がれた。最近ではメンバーのフェイスブックをみて、更に三上智恵さんが口添えをして下さったおかげで県外にも伝わり、三人の方からメッセージとカンパが届けられた。カンパのおかげで、これまで取り入れることができなかった食材や年中行事等に因んだメニューの用意もできるようになった。メンバーの都合で弁当作りが難しい時は弁当屋さんのものを届けるようにしたが、お店の方の好意で一品サービスが入ったりボリュームアップなど辺野古運動への支援を感じる。▼そして最も喜ばしいことはぶぶぶ倶楽部に若い同志がメンバーとして入っていただいたこと。新しいメニューが増え、更に彩りのいい弁当になったこと。もう一つぶぶぶの平均年齢を下げてくれたこと。メンバーは後期高齢者が大多数で、すでに80代の仲間も複数人いてそろそろ若い人たちへのバトンタッチも考えなければいけないところに差掛っている。▼協力いただいた方々の名前をあげると100に近い数になる。とまれ、満9年、大過なく続けてこれたのは思いを一つにする仲間と物心両面から支えて下さる多くの方々がいるからです。感謝・感謝・感謝。▼9月を迎えたら10年目に突入する。新基地建設を断念に追い込み「カヌーの弁当はもういいよ。」という日が近いことを祈りつつ満9年目の弁当は第4土曜日の8月26日にすべての皆さんへの感謝の気持ちを込めて届ける。
2023年8月20日
カヌー弁当 ぶぶぶ俱楽部チーム・屋比久 宗子（高教組ＯB)
