2022/05/02 新基地建設強行の現場から
きったんの辺野古の現場から 2
緑豊かだった辺野古弾薬庫周辺が今大きく変容しています。
名護市内から東海岸二見以北に向かう国道331号線の二見トンネルを越えると、所々に鉄板に囲まれた工事現場が現れます。これは沖縄電力の送電線地中化工事の現場。辺野古新基地が完成すると航空法の高さ制限に触れる送電線や建物が数多く存在するため、まずは送電線の地中化が行なわれています。ただしその他の建物等については不問に付すようです。この件についてはいずれ触れます。沖縄電力の現場を過ぎ、以前辺野古の抗議現場の送迎車が折り返し地点としていた辺野古弾薬庫ゲートから、キャンプ・シュワブ第2ゲートにかけては目を覆いたくなる光景が出現します。現在キャンシュワブがある土地は戦後すぐ、大浦湾収容所が置かれていました。その後米海兵隊キャンプ・シュワブ基地が設けられましたが、戦後70年の間に、弾薬庫ゲートから第2ゲートにかけて見事な樹林が形成されました。しかし名護市長選が終わった今年2月8日、突然樹林内にチェーンソーの音が響き渡り、瞬く間に樹林が消え失せてしまいました。その範囲は、7.9ha。沖縄セルラースタジアム那覇約2個分になります。現在伐採は約3分の2ほど進んでしまったでしょうか。この土地は名護市の市有地ですが、伐採は名護市に届け出がないまま進められた違法工事です。もっともそれ以前に、基地として使われていない場所であったことから、名護市は返還を要求すべきではなかったかと思います。ただ伐採が進んだことによって、大浦湾の眺めが非常に良くなったのは皮肉です。今後ここには、巨大な工事用ゲートや、弾薬庫へ向かう道路などが設置されます。長くなりますので、詳細については「きったんのヤンバルの森から」19号から22号をご覧ください。Facebook「中村吉且」(https://www.facebook.com/kitutan)のアーカイブからダウンロード・印刷できます。ヤンバルの森が世界遺産に登録される一方で、その入り口にあたる辺野古周辺の樹林が軍事基地拡張のために消滅させられる。このダブルスタンダードは一体何なのでしょうか。もっとも、頭上を軍用機が飛び回る危険な世界遺産など世界に二つとないと思いますが。