2024/06/24 新基地建設強行の現場から
沖縄報告 2024.6.17 沖縄 沖本裕司 より 本人の了解を得て掲載。
6.16沖縄県議会選挙をふりかえって
地域独自外交を推進する玉城県政を支持し、
辺野古反対!自衛隊増強反対!の闘いの強化へ! 自公が増え、県政与党が過半数割れ
6月16日投開票の沖縄県議会選挙は、自民・公明が増え、県政与党が減って過半数割れとなった。投票率は、前回2020年の46.96%を下回り、過去最低の45.26%。1972年の本土復帰後の20年間にわたり80%前後を保っていた県議選の投票率はその後低下し続けてきた。知事選挙や国政選挙では50%以上の投票率を維持しているものの、選挙に「期待しない」「関心を持たない」「投票しない」という県民の選挙離れが明白に示されている▼その中で今回の県議選(定数48)では、自民が立候補した20人が全員当選し公明も4人が全員当選、自民に同調する無所属保守2人、維新2人と合わせて、28人となり、玉城県政を支持する与党各派の20人(改選前24人)を大幅に上回ることになった。与党各派20人の内訳は、共産4(改選前7)、立民2(改選前4)、社民2(改選前2)、社大3(改選前1)、無所属9(改選前10)である。立候補者全員が当選した自公に比べて、与党各派は選挙協力の不調や準備不足・共倒れが目立った。それは、社民・立民が各々立候補5人で当選2人、共産が立候補7人で当選4人となったところにも示されている。与党各派の死票は多数にのぼる。社大党と共に反政府勢力の中心を担ってきた社民・共産は各々3人が次点・次々点となり小差で惜敗した。与党間で競合する選挙区での社民・共産の集票力に陰りが見られた▼10年前、翁長雄志知事の誕生と共に、辺野古新基地反対!を最重要の課題としてスタートしたオール沖縄会議の自然発生的な熱気とエネルギーは徐々に失われてきている。米軍基地・自衛隊問題に加えて、尖閣・台湾をめぐる安保問題、貧困・教育・福祉などの経済問題が相互に関連してのしかかってきている。文字通りオール沖縄として、一つのかたまりにならなければ日本政府・自公に対抗できないことを肝に銘じなければならない。
辺野古NO!普天間撤去!の民意は不変
県議会の過半数を公明と共に制した自民党は、早くも衆院選、知事選へ向けた皮算用に余念がない。しかし、選挙結果を詳細に分析すれば分かる筈だが、基地のない平和で安心して暮らせる沖縄を願い、辺野古新基地建設の強行に反対し普天間基地の撤去を求める県民多数の意思は変わっていない。例を挙げると、普天間基地を抱える宜野湾市区(定数3)では自民が2議席を獲得し、社民・立民の二人が落選、与党の当選は無所属の一人にとどまったが、票数は逆に、自民二人の合計が14672、与党三人の合計が18336であった。代議制の下では議席数と民意の間にずれがある。米軍基地を固定化し自衛隊ミサイル基地を展開する自公政権の沖縄政策に免罪符を与えた訳ではないのだ。岸田政権や自公は喜びすぎない方がいい▼当選者の顔ぶれを見ると、県政与党・野党を問わず、当選を重ねた古参だけでなく、フレッシュでエネルギッシュな新人が多数進出した。県政与党では、儀保唯さん(国頭群区、無所属)、瑞慶覧長風さん(島尻・南城市区、社大)、幸喜愛さん(沖縄市区、社民)、平良識子さん(那覇市・離島区、社大)らが上位当選した。ある意味、県議会の“刷新”に託した県民の要望は、県議たちがより身近で生活に密着した活気ある政治を進めていって欲しいという有権者としての負託に他ならない。
県政と連携する大衆運動の強化を!
玉城デニー知事と少数派に転落した県政与党にとっては、今後の県議会運営は困難を極めることになる。選挙結果を「政府の安保政策に反対してばかりいる玉城知事に対する批判」と述べる自民党は、日本政府の意を受けて、県民投票の時のように様々な妨害工作に出てくるだろう。しかし、たとえ県議会で少数与党になったとしても、辺野古新基地に反対し自衛隊の増強に異議を唱え独自の地域外交を進めようとする玉城県政は、依然として県民の多数が支持している▼玉城知事は選挙結果を受け、知事公舎での記者会見で、「議会からさまざまな要求も強くなってくると思うので、しっかり受け止め真摯に対応したい」と述べた。知事は覚悟を決めている。知事は、県民多数の支持を確信し、県政与党の結束を強め、これまで通り公約の実現へ向かって邁進していって欲しい。われわれは、地域と現場での大衆運動を通じて、県政と連携し、沖縄のことは沖縄が決めるという強力な政治潮流をつくりだすために全力を尽くす決意である。
米海兵隊のグアム・ハワイ移転が今年12月から開始
ワシントン発共同の記事によると、沖縄に駐留する米海兵隊の移転が今年12月から始まるという。日米両政府が合意した計画では、グアムに4000人、ハワイや米本土に5000人が転出する。6月17日付の地元両紙が伝えた。辺野古新基地を何のために造るのか。世界的にも貴重な生物多様性の宝庫・大浦湾を埋め立て、弾薬庫を備え滑走路と軍港を有する海兵隊基地をどうして造ろうとするのか。埋立を中止せよ!辺野古新基地建設を白紙撤回せよ!