2022/05/13 新基地建設強行の現場から
平和で豊かな沖縄の実現を! 寄稿 神奈川 かんちゃん
沖縄県復帰50年に際して基地についての朝日新聞社等合同世論調査では、沖縄県民の回答は「減らすのがよい」61%、「全面撤去」19%に対し、「今のままでよい」19%だった。全国調査では「減らすのがよい」46%、「全面撤去」6%に対して、「今のままでよい」41%だった。毎日新聞等合同調査では、沖縄の基地集中に対し、沖縄県民は61%の人が「不平等」と回答したが、全国では40%に留まっていた。沖縄の米軍基地に対して沖縄県民と全国との意識の差が大きく表れていた。沖縄県は、政府に基地負担軽減を訴えるだけではなく、全国に沖縄の現状を訴え、共通理解を進めることも重要だ。玉城デニー沖縄県知事は、5月10日に「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を岸田首相に手渡した。建議書には、①沖縄を平和の島とする、②基地の負担軽減、辺野古新基地建設の断念、③民意や地方公共団体の判断と責任の尊重、④平和的な外交・対話が、述べられている。首相は、相変わらず「思いを受け止め」と心にもないことを言うだけだった。1971年に基地撤去等をまとめた「復帰措置に関する建議書」は、復帰後も基地存続を前提とした沖縄返還協定が強行採決されたため、政府や国会に渡ることはなかった。復帰50年に際し作成され沖縄県民の思いのこもった「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」は、岸田首相の手に渡った。政府は「平和で豊かな沖縄の実現」を、いつものように「県民に寄り添って」と言いながら基地負担を押し付け、お題目のように「辺野古唯一」と新基地建設を強行していく姿勢を改め、首相はしっかりと熟読し、「平和で豊かな沖縄の実現」の具体的な政策を立案してほしい。スルーされては、たまったもんではない。