辺野古新基地建設に関わる住民訴訟についてご紹介いたします。それぞれの住民の訴訟の詳細はリンク先のページをご覧ください。
国の「違法」を許さない!住民の訴訟
辺野古・大浦湾周辺に居住する住民16人が、国に対し、沖縄県の埋立承認撤回処分を取り消した国土交通大臣の裁決(2019年4月5日付)は違法だとして、その取消しを求めた裁判です。
裁判は当初、国交大臣による「撤回処分の執行停止」の執行停止を求め、「取り消し裁決」以降は、採決の取り消しを求める訴訟と並行して審理が進められました。
2020年3月19日、執行停止に関する決定が下され、当時の裁判長は原告のうち4人の原告適格を認め(12人については却下)、4人を原告として本論に関する弁論が再開されました。2021年4月、那覇地裁の人事異動により裁判長が交替。2022年4月26日、新裁判長は(前裁判長が認めた)4人の原告適格を認めない「門前払い」の不当判決を下しました。
原告団・弁護団は、この判決を不服として同年5月6日、福岡高等裁判所那覇支部へ控訴。福岡高裁は2024年5月15日、4人の原告適格を認め、一審判決を取り消して那覇地裁に差し戻す画期的判決を下しました。
知事の「不承認」を支持する住民の抗告訴訟
2022年8月23日、辺野古・大浦湾沿岸住民ほか20名が原告となって、国に対する新たな訴訟を那覇地裁に提訴しました。2021年11月25日の玉城デニー知事による設計変更不承認を取り消した国交大臣の裁決は違法だとして、その裁決の取り消しを求める訴訟です。
沖縄県は同年9月30日、同様の内容で抗告訴訟を起こしましたが、私たち住民の訴訟はそれを補強し、県と一体となって国の違法性を追及し「不承認判断」の正当性を主張しています。
代執行の取り消しを求める住民の訴訟(新訴訟 2024年2月22日提訴)
2023年9月4日、デニー知事の設計変更不承認を巡る訴訟(沖縄県が提起)で、最高裁は沖縄県敗訴の不当判決を下し、国交大臣の裁決に従い承認するよう求めました。知事がそれに従わなかったため、国は福岡高裁那覇支部に代執行(国が県に替わって承認する)訴訟を提起。高裁は国の要請通り、何らの審理もしないまま第1回口頭弁論で即日結審。12月20日、県敗訴の判決を言い渡しました。沖縄県は最高裁に上告しましたが、2024年2月29日、最高裁は上告不受理の決定を下し、門前払い。県の敗訴が確定しました。
2023年御用納めの12月28日、国は高裁判決を楯に代執行を行い、沖縄防衛局は年明け1月10日から、軟弱地盤のある大浦湾側工事を着工、強行し続けています。
この、あまりにも不当な、民主主義にも地方自治にも反する暴挙を座視するわけにはいかないと、私たち地元住民は新たに、「代執行の取り消しを求める住民の訴訟」を2024年2月22日、原告30人で那覇地裁に提起しました。いわば「県のかたき討ち」訴訟であり、代執行に対する訴訟は史上初めてです。提訴の日は、2019年2月24日に行われた「辺野古埋め立ての是非を問う県民投票」5周年に合わせました。
*原告も弁護団もデニー知事の設計変更不承認を強く支持する立場ですが、国が「県の代理人として承認」を行ったため、国だけを被告とした場合、「承認は県の行為」だとして逃げられる可能性があります。それを避けるため、この訴訟では、やむなく国と県の双方を被告としており、このことは沖縄県にも了解を得ています。
国を被告とする訴状は以下をご覧ください。
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