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【辺野古沖船舶事故】5月29日に報道機関に発表した代理人コメント全文

【辺野古沖船舶事故】5月29日に報道機関に発表した代理人コメント全文

本件事故を巡る様々な報道や議論、国(内閣府沖縄総合事務局)からの質問への対応、及び今後の補償責任につきまして、ヘリ基地反対協議会(以下「当協議会」といいます。)の代理人弁護士として、以下のとおり見解を公表いたします。

1 ヘリ基地反対協議会と平和学習の関わりについて

本件事故を契機として、メディアや社会において、当協議会が平和学習を始めとする学校教育現場に関わるべきではないという趣旨のご意見が見られるようになりました。

まず前提として頂きたいことは、当協議会がどのような性質の団体かということです。当協議会は、法的な人格を持たないのはもちろんのこと、強力な統治機構を持った団体ではありません。その実態は、多様な思想信条やバックグラウンドを持った市民、地域住民、個別のボランティア団体が、辺野古の海を守るという一点において緩やかに集まった「非営利の市民の集合体」に過ぎません。そこには、メンバー間の行動を強制・管理する権限もなければ、企業のような指揮命令関係も一切存在しません。 これに対し、世間一般における「組織責任」の議論は、通常、明確な職務権限、指揮命令系統、および内部統制(ガバナンス体制)が確立された法人(企業や行政機関等)を前提としてなされますので、このようなガバナンス構造を前提として本件を同列に検討することはできません。 その上で、ご批判の趣旨が、当協議会は安全管理に責任をもてるような団体ではないことから、未成年者を海上など危険性のある場に連れて行くべきではないという点にあるのであれば、当協議会代理人としても全く同様の見解でございます。

当協議会は、今回の重大事故が発生するまで、上記視点を看過し、個々のメンバーが漫然と未成年者を含む見学者の受け入れをしていたことを深く反省しております。沖縄の歴史や基地建設現場の現状について、関心のある方にレクチャーすることは当協議会の活動内容の一部ではありますが、その手法については根本的な見直しが必要不可欠であると考えております。

2 内閣府沖縄総合事務局運輸部総務運航課から当協議会への質問について

当協議会は、本件事故の発生当初より、ホームページ等を通じて関係機関への全面的な協力を表明し、海上保安庁の捜査に協力してまいりましたが、本年5月以降、本件事故に直接関係していない当協議会の複数のメンバーが、業務上過失致死罪等の被疑者として、捜査当局による断続的な取調や捜査を受けていることが判明しました。

そのような中で、内閣府沖縄総合事務局運輸部総務運航課(以下「総合事務局」といいます。)から第1回目の質問書(令和8年5月8日付)の送付を受け、当協議会は、これに対し誠実に回答を致しました。

その後、令和8年5月25日付で、総合事務局による当協議会への再質問がありました。この再質問では、当協議会に対する過去の報道関係者の取材履歴や、特定の国会議員らの過去の乗船履歴等、本件事故と無関係な広範な情報を質問する内容が含まれていました。

このような総合事務局の再質問には、事故の原因究明という本来の行政目的を逸脱し、新基地建設反対運動の内部情報や関係者の情報を取得しようとする政治的な意図や、意図的な連帯責任の押し付けがあると言わざるを得ません。

当協議会の複数メンバーに対し、刑事手続が並行して進行している重大な局面において、利用目的や開示先が不透明なまま、事故と直接関係しない広範な情報の提供に応じることは、当協議会メンバーのプライバシーの観点からも、困難であると言わざるを得ません。

したがって、当協議会は総合事務局の再質問に対し、「今回の質問(特に過去の報道関係者や特定の国会議員等の乗船履歴に関する事項)が、本件事故の原因究明および再発防止という行政上の目的に対し、いかなる法的な必要性・関連性を有しているのか」「当協議会が質問に対して回答した内容について、捜査当局へ情報提供を行う予定の有無、およびその法的な根拠」などについて、説明を求める予定です。

当協議会としては、本件事故が政治的に利用され、事故と直接無関係な周辺の市民個人への過剰な社会的制裁や不当な責任追及が行われるべきではなく、理性的かつ公正なリーガル・アプローチによる解決がなされることを切に望んでおります。 また、海上保安庁による捜査については、現在も誠実に対応しておりますし、今後も全面的に協力していく方針であることを申し添えます。

3 今回の事件における当協議会の責任について

今回の事故で船長らが被害関係者様に民事賠償責任を負う場合、当協議会も法的責任を負うか否かについては、当協議会の団体としての性質を踏まえると、直ちに結論の出る問題ではないと考えております。

しかしながら、本件事故の重大性、亡くなられた高校生のご遺族様や怪我をされた方々に真摯に向き合うため、当協議会は、法的な議論に拘泥することなく、船長らの民事賠償責任を当協議会も引き受ける方針です。

賠償についての、ご遺族様・被害関係者様との具体的な協議はこれからとなりますが、当協議会は、本件事故による社会的責任を最大限に果たすべく、誠心誠意注力していく所存です。                                

以上

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